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​最近の話題

・銀行や証券会社における認知症等による口座凍結を、予防的に活用できる

「予約型代理人制度」等について

 

既にご存知の方もいらっしゃるかも知れませんが、終活に向けてのご提案です。
後見制度のセミナーなどを開催していても「後見って難しくてわからない」、「自身は認知症にはならないと思うから大丈夫」、「不確実な事を心配しても、、」とか余り備えに積極的でない反応が多いです。

確かに「死」は遅かれ早かれ訪れますので、多くの方は金銭面の備えとして「保険」や一部の人は「争族」を避ける為に「保険」の有効活用や「遺言」を準備されています。

但し、「人生100年時代」の今、「認知症」や病気や事故により判断能力を失ってしまい、各種契約行為が一人ではできず、止む無く「法定後見制度」を使わないといけなくなるリスクは日々高まりつつあります。

法定後見制度を利用する約3割以上が本人の預貯金の解約等です。

この本人に判断能力がなくなった際の金融資産の凍結に関する備えに限られますが、費用は無料で手間もそれほどかからない制度をお知らせさせて頂きます。

注意点として、この制度の利用は本人と指定された代理人のみで手続きが完了してしまい、制度開始後は本人がその使途を確認できない状態ですので、複数人の推定相続人がいる場合、本人死亡後の相続発生時に相続人間で、揉め事にならない様に事前に家族会議などを開き、推定相続人間の同意や制度利用開始後の本人の為に使用したという記録の残し方などを、取り決めておく必要があるという事です。

また、不動産取引や身上保護の為の契約代理等には、対応していない点も注意が必要です。

 

2021年2月に全銀協により「金融取引の代理等に関する考え方、及び、銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方」が示され、そのポスターが発表されました。このポスターの「おすすめの事前準備の3」にある様に柔軟な代理人制度の対応は各金融機関に委ねられました。

      https://www.zenginkyo.or.jp/news/2020/n032601/

今回提案する制度は金融機関の中で前述のリスクはあるものの、利用者の自己責任において判断能力の低下に備えた予約型代理人制度を提供しているものとなります。

私の知る限りでは、大手都銀の中では、

三菱UFJ銀行 https://www.sc.mufg.jp/service/dairinin/index.html

みずほ銀行 https://www.mizuhobank.co.jp/tetsuduki/dairinin_yoyaku/index.html

若干の取扱いは異なりますが、

三井住友銀行 https://www.smbc.co.jp/kojin/otetsuduki/sonota/dairi/

が取り扱っています。

また、三井住友銀行は後見制度の件も含め解り易く解説しています。

https://www.smbc.co.jp/kojin/money-viva/money-jiten/0042/

 

また、証券会社には「有事代理人制度」等を設けて同様のサービスを行っていますが、

指定された代理人により解約出金はできるものの、その口座は本人口座と制約されているケースがありますので、その出金口座を上記3行のような制度のある口座を指定しておく必要があります。

因みに、私の場合は夫婦間で証券会社において「有事代理人制度」を登録し、その出金口座を安全の為に上記3行に指定し、選択できるようにしています。

最後にこの予約型代理人制度が、いろいろな後見制度のセミナー等で殆ど触れられる事のない理由としては、前述のような自己責任と言っても本人不在の将来のリスクがある上に、手続きが無料でありビジネスにならない事が要因だと考えています。

皆さんにおかれましても、後見制度や予約型代理人制度をご理解の上、必要に応じ活用頂ければと思います。

・2022年11月14日放映のNHKクローズアップ現代で、「認知症高齢者の預金凍結問題」が取り上げられました。

番組イントロダクション

「今や認知症高齢者は600万人以上、その資産は250兆円超と推計されています。認知症になると資産が凍結され、家族が引き出すのが難しくなる可能性も。そこで弁護士や司法書士などが後見人となり、代わりに財産管理などをする成年後見制度がありますが、「本人のためにお金を使えない」「一度利用したら止められない」など課題が頻出。成年後見制度以外の選択肢を含め、本人の意思を尊重し、暮らしや財産を守る方策を探りました。」

また、番組の中で、日本の成年後見制度が「差別的」だとして、国連から撤廃を勧告されているという内容も紹介されました。

 https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4724/

・後見制度を取り扱った日本映画「親のお金は誰のもの 法定相続人」が令和5年10月6日に上映が開始されました。

「三重県伊勢志摩の真珠養殖を営む一家に起こる「相続問題」を「成年後見制度」の問題とともに描かれた映画です。

ご興味をある方はどうぞご覧ください。下記のアメリカ映画も含め「成年後見制度」が身近な問題になりつつあるとの印象です。

 

 公式ホームページはこちらです。

 https://oyanookane-movie.com/

「一昨年にはアメリカの映画ですが、同じく成年後見制度を描いた「パーフェクト・ケア」が公開されていました。

 https://movies.kadokawa.co.jp/perfect-care/

・NHKEテレ番組「TVシンポジウム」 どう備える!超高齢社会の財産管理~成年後見と民事信託~
​広告が多めですが、下記のサイトでご覧いただけます。

www.dailymotion.com/video/x8qn6xj 

期限切れで削除されています。

柴田理恵さんの利用側の意見も取り上げられていて良かったと思います。

・介護などのサービスは他人に任せてもと思うが、お金の管理を任せるのはどうか、、、

・専門職に頼むとその費用の高さに驚愕。

自分で頼む人を決めておく任意後見制度が良いが、実際に利用するには原則として裁判所が任命する弁護士・司法書士などの専門職が「成年後見監督人」に就任し費用が掛かるとともに、その専門職の判断により親族後見人の行動が制約される場合もある。

民事信託も当初の費用の面、受託者の負担や他の親族との関係や実績の少なさなど課題も多くあるようです。

また番組では「意思決定支援」にも触れられています。日本は国連から落第点をつけられています。この「意思決定支援」に関しては、裁判所や各専門職団体によりガイドラインを設けるなど実施を推進していますが、まだまだ不十分な現状があります。大貫司法書士によると現在「意識改革が必要、研修やトレーニングの最中」との事です。

法定後見における専門職後見人、任意後見における専門職任意後見監督人、当然に専門職の仕事としての対応なので、費用は発生します。その費用は裁判所が決定します。

専門職の対応も千差万別です。何の仕事でも同じですが、利用者の立場に立たない行き過ぎた効率重視・利益追求によるものは後見等の福祉的な分野にはより相容れないものと考えます。

五十嵐医師も「周囲の援助で支援が足りているところを敢えて保護しない、何でもかんでも法定後見にすれば良いというのは間違い」と述べられています。

「早死のリスク」「長生きのリスク」は保険や貯蓄で補えますが、「認知症のリスク」に対してどう備えるかはそれぞれの考え方によるところが大きいです。ただ「認知症のリスク」は家族環境や資産状況によっても大きく異なります。「認知症になってから」「制度を利用してから」では手遅れな場合もあります。

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